代表挨拶

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代表 原 真幸

 

新型コロナウイルス感染症が拡大し、最近になりワクチン接種開始の情報も入ってくるようになりましたが、未だ感染者数・重症者数の報告が続き、予断を許さない状況が続いております。ここに謹んで新型コロナウイルスの感染に症により亡くなられた方々とそのご家族の皆様に心よりお悔やみを申し上げます。また、罹患された方々、感染拡大により大きな影響を受けられている皆様に心よりお見舞いを申し上げます。また、日々業務に尽力されておられる医療関係者の皆様には、心よりの敬意を表します。

「がんCRC研究会」は、がんの臨床試験に関わる臨床試験コーディネーターが専門知識を学び、意見を共有する場として設立しました。国立がん研究センター東病院は2016年から「CRCの明日を考える」というテーマで、東京や大阪などでがん領域のCRCの方々を中心に研修会を実施してきました。参加していただいた方から、がんの臨床試験に関わるための必要な知識を学べる場があってよかったという意見がありましたが、しばらくは日々の業務に追われ、「CRCの明日を考える」研修も休会となっていました。

 臨床研究コーディネーターとして勤務するために、GCPなどの関係法規や実務研修など、各施設で初期研修プログラムを組み、教育を行っていると思います。がん領域の臨床試験を実施するためには、疾患の特徴に加えて日々変化する標準治療、RECISTやCT-CAEなどのがん領域の臨床試験では必ず使用する規定があります。それらを理解していなければ、有効性や安全性の評価など、患者さんへの影響を与えてしまう可能性だけではなく、試験全体の結果に影響を及ぼす可能性があります。近年、アジア圏でがんの臨床研究を実施するための基盤整備が進んでいます。がんの臨床研究を日本全体で実施していくためにも、初心者の方は知識を学ぶ場、経験者の方は自分の知識を再確認する場を提供できればと考えています。

「がんCRC研究会」は、がん専門施設である国立がん研究センター東病院・国立がん研究センター中央病院の臨床研究コーディネーター11名が立ち上げました。英名のOCEANには、小さなボートが徐々に大型客船となり、大海原に航海していく、「日本から世界へ」という思いが込められています。研究会の理念に賛同いただき、企画・実行に関わりたい方には、いつでも門戸を開けてお待ちしております。

 2021年6月20日に「第1回がんCRC研究会」をWEB開催で行います。研究会設立時は、都内の会場で実施することを考えていましたが、昨今のCOVID-19の感染状況もふまえ、WEB配信とすることになりました。参加してくださる皆様と直接お会いして色々なお話ができればとも思いましたが、移動の必要がないため日本全国の臨床研究コーディネーターの方々に参加していただくことも可能です。研究会では、がん治療の基礎から最先端の治療、患者参画型の臨床研究に向けたシンポジウムなど、多岐に渡るプログラムとし、各施設でご活躍されている方々に演者として登壇いただくことになっています。座長・演者の先生方には、立ち上げたばかりの研究会にご協力いただき心より感謝申し上げます。 初回の研究会がWEB開催となりますので、不都合・不行き届きがあると思います。研究会設立メンバーは、ご参加いただく皆様にとって有意義な時間となるよう、準備を進めております。

 最後になりましたが、がんCRC研究会の趣旨に賛同し協賛くださいました企業の皆様にこの場をお借りして御礼申し上げます。充実した研究会となるよう精進してまいりますので、今後ともご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。